Vストくん重過ぎん?
長距離ガバツーでは無類の強さを誇るVストだが、その巨体からくる足付きの悪さ、後退のダルさにカバーの掛け辛さはおよそチョイノリには向いていないという欠点がある。
当職は車を持っていないので日常移動にもバイクを使うのだが、出し入れの面倒さが勝り平日全く乗らなくなってしまったくらいだ。
と言っても名古屋は完全なる車社会、行きたいお店が駅徒歩数十分といった事はよくあるため車移動の選択肢を手放す事は出来ない。ではどうするか?の解決策はいたってシンプルで、

My New Gear...
MT-15 2019年式インドネシア仕様
なにこれ?

ヤマハがアジア向けに出している150ccシリーズの一翼で、日本でも発売されているMT-125の車体にトリシティやYZF-R15でおなじみの水冷155ccエンジンを乗っけた有り物の夕飯みてえなバイクである。

早速各部をねっとり観察しよう。全体のシルエットはMT125と同一。MT25との見分け方は全体的に小ぶりなのとタンデムシートが一体式な点。しかし6年落ちとは思えない今風デザインだ。今でこそ主流なデザインと言えるが各社💥型単眼ライトだった2019年頃に現れたこいつはさぞ先進的だっただろう。

ステルス戦闘機みたいなエッジのきいたタンクとカウルが素敵。MT125の日本正規販売車と異なり塗装の工程が明らかにチープだが安い(当時の為替レートの日本円で30万前半)ので笑って許そう。あと多少黒ずんでいるのは中古車だから。仕方ないね。

MT-15はインド仕様とインドネシア仕様(=その他の国仕様)が存在する。それなりに違いがあり例えばフロントはインド版と異なり倒立フォークになっている(インド版は2022モデルから)。逆にインド版にはブレンボぉ^~(気さくな制動)の下位ブランドことBybreブレーキが付いているがこちらはノーブランド。またフロントタイヤは110/70。インド版は100/80なのでここも変更点。
メーターはモノクロのフルデジタル。燃費計、瞬間燃費計、平均速度計が付いている。時計、ツイントリップとODOもあるので切り替えの操作量が多い。あとは原付よろしくキーシャッターが付いている。最新モデルはABSにトラコンにスマホ連携にフルLEDにと機能が盛りに盛られた謎の高級車と化しているが型落ちのコイツには何も付いていない。よく言えばシンプル。
足つき、ポジ
軽二輪で足付かんやつおる??(煽り)
というのは冗談でシート高はMT25より高い810mm。まあオフ車並に軽い(133kg)ので付かなくても心配はない。
純正で謎にバックステップ気味のため軽めのニーグリを強制される程度の前傾感がある。なのにスイッチボックスは殿様ポジ前提の角度になっておりウインカースイッチが探し辛い。ちょっとズレてるかな…(角度)
GSR250より曲げた足が窮屈でないので当職的にはベトポジ(ベストポジション)。
走行性能(街乗り、田舎道)
軽い!楽しい!
Assist&スリッパークラッチが採用されているのでクラッチが羽のように軽く渋滞もゴーストップも楽ちんちんだ。クラッチミートが気持ち遠いのだが個体差と調整の範疇だろう。
前傾姿勢で嫌でもフロントタイヤに荷重が寄るのでコーナリングもサクッと行けるしフルロックのUターンも楽ちん。あと車体が小さいためわずかな隙間に駐車しやすい。
一度速度が乗ってしまえば5速や6速でのダラダラ走りも出来るがトルクがしょぼいため失速すると再加速が大変。ギアを落としてしっかり回した方が楽しいのでそうしよう。
走行性能(高速)
150ccなので高速道路に乗ることができる。可変バルブ(VVA)機構が搭載されており高回転域の7000回転程度で発動する。発動中はメーターにマークが表示される演出がありお子様もニッコリ。
80kmまでは余裕のある走りを見せるが、そこからは全然加速しない。特に6速のトルクはこの辺で限界なようで80→100への加速は5速に落とさないとアクセルフルオープンしても不可能。遅いとかではなく不可能。
6速8000回転くらいで100kmに到達する。レブリミットは11000回転だがこの時点でエンジンが悲鳴を上げているためそこまで回る感じはしないし常用したら壊れそう。ちなみにサイドミラーは7000回転くらいでブレ始めるため使い物にならない。ハンドルやステップも相応に震えるがこちらはそもそもネイキッド特有の風圧でそれ所ではないので気にならない。これで高速ガンギマリツーしてる人タフすぎデショ・・・
その他
- 燃費は満タン法で30後半km/Lくらい。瞬間燃費計曰く街乗りの方が省燃費になるようだ。逆に高速は20前半kmまで落ち込んでいた。下手すりゃVスト650の方が低燃費だぞオメー。
- 国内モデルの合いの子なため逆輸入車の割には消耗品や車種専用パーツが手に入る印象。
- タンデムが平たいので積載は悪くない。24LのGOLDWINバッグ(絶版)を危険無く積める。
- サイドスタンドスイッチが付いていないためスタンド立てっぱでもエンジンが掛かる。最初戸惑ったがすぐ慣れた。
おまけ:ジクサー150との比較
同じ価格帯、同じサイズ感で優秀なジクサーくんとは最後まで迷った。両者ねっとり確認した上での違いを分析すると、
- MT-15の勝る点
- 馬力
- アシスト&スリッパークラッチ
- 6段変速
- 逆車だから楽しそう(小並感)
- ジクサーの勝る点
- 国内発売のサポート体制、アフターパーツの入手性
- 質感(特にハンドル回りやメーター)
- 燃費
- センタースタンド
- ABS
- スズキ
といった感じだった。ジクサー150に走る曲がる以外の全てにおいて軍配が上がるため正気ならこっちを選ぶ方が良いと思われる。

・・・という事でした(照れ)
セカンドバイクのもう一つのメリットとして、絶賛過走行でシバいているVストロームを保護できるという点がある。
今のペースでVストくんに乗っているといずれ手放す時に金属代しか返ってこない消耗度合いになってしまう。うまく負荷分散をしていこう。